2024年もいよいよラストスパート。
先日今年の漢字「金」が発表されましたが、個人的には「別」(別れ)がしっくりくる一年でした。この10年ほど親交を深めた人間関係に区切りがついたと感じる出来事が何度かありました。
少し残念な気持ちと、身軽になった気持ちと半々ですが、その一方で新しい人間関係にも恵まれ、捨てる神あれば拾う神ありじゃないけれど、それでもやっぱり自分は人に恵まれていて有り難いなァ、、と思うことの方が多かったですね。
会社での大きな出来事といえば、勤続34年のベテランの職人が、まだ若くして病気のため亡くなりました。技術者としても人間としても大きな信頼を寄せていたスタッフで、病気になる以前は副工場長を勤めてもらっていました。また同僚や後輩にも大変慕われれ、心の支えのように感じていたスタッフも多かったと思います。彼を失ったことは、私たちにとってあまりにも悲しい出来事でした。
自分自身、まだその悲しみから立ち直れてはいませんが、こういう時に忙しさは救いになると感じるくらい業務は充実しており、これもまた 有り難いことだと思います。
今年は元旦早々から天変地異や飛行機事故に見舞われ、不安と混乱の中で始まった年でしたので、きっと皆様の胸に去来する思いも複雑なものなのではないかと思いますが、様々な思いを胸に、残り僅かとなった2024年を駆け抜けます。
仁鮒の森
ここまで長ったらしかった記事も、写真中心に一気に駆け抜けます。
田代神社を後にして、車で進むこと10 数分。景色は右も左も木々と自然に溢れ、人の気配は皆無。
里山の のほほんとした雰囲気から、光も空気も水も音も、全てが変わったことを感じました。
自然の美しさの中には、人の手の届かない深みというか、恐ろしさが同居していますよね。全てが調和しているのに、同時に限りなく雑然としている矛盾に不安を感じるからなのでしょうか。
でも子供の頃はぜんぜん怖くなかったような気がします。むしろ自然よりも、自然の中でばったり人に出会った方が怖い気もしますね、、、深いです。
そんなこんなで、ついに保護林の入り口に到着。この時すでに15時半。これから一人で森に入ることに些か(どころではない)不安を感じましたが、ここまで来て引き返すわけにもいかず、車を降りてカメラ唯一つを携えて先に進みました。
たくさんの看板がお出迎え。店主から客への注文の多い料理店のようですが、豊富な情報量の中に、気になる一言が、、、
注意の赤い文字が血文字になっている、、、(わけない)。
我々がクマにできる最大の注意は、やはり出会わないように注意することだと思います。素人がうっかりクマに出会ってしまったら、できることはほとんどないと思います。
ここの看板のすぐ先に、森の中に入っていく道がありました。注意して、いざゆかん。
森に入ってみると、獣道かと思いきや、滑り止め付きの板敷の歩道が整備されていて、視界も開けており、予想外に歩きやすかったです。ちょっと拍子抜け、でもありがたい、、、。
順路に沿って進んでいくと、やがて日本一高い天然杉「きみまち杉」が見えてきました。
確かにデカい。デカすぎて写真に全然収まりませんでした、、、。
というか、ここで突然、後方から物音がしました
おお、人だ!!(失禁するほどビックリ)
ここまでの道中で、初めて人に出会いました!しかも3人も。
挨拶したら仲良くなって、危ないので一緒に行きましょうということになり、皆さんの後について安全に順路を一回りして戻ってきました。めでたしめでたし。おわり。
さて、ここまで長々と書いておいて今さらあれですが、実はこの話と写真、今から7年前の2017年の出来事でした。読みながら、何か変だな、、と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、いつか誰かにこの話をしようと思っているうちに7年も過ぎてしまいました、、、「昨日の世界」どころの話じゃないですね。
ふと気になって調べたら、田代小学校は2023年に取り壊され、すでに跡形もなくなっていました。田代神社周辺は、今どのようになっているのでしょうか。さらにここ数年、クマの被害が多すぎて、気軽に森や山に入れるような雰囲気ではなくなってしまったので、行きたいと言われても、誰も連れていく気になれません。
土崎みたいな能代よりも大きな町にクマが頻繁に出てきたり、しかもスーパーに立てこもり(閉じ込められた)とか、平地人も戦慄するあり様を、柳田先生が聞いたら何て云うのでしょうね。現代の文明が衰退期に入っている、紛れもない事実を感じます。
今後さらに人が減って、街の光が小さくなり、夜の闇が広がりを増していく中で、次に何が起きるのでしょうか。想像すると不安になりますが、しかし、どのような未来が来ようとも、自分はどうありたいか、何を願い、そして何をするのか。それは私たち自身が決めることです。迎える新年が、皆様にとって希望に満ちた年になりますことを祈念し、2024年の結びとさせて頂きます。
そして、これをもって「shinboku magazine」のベータ版が終了し、2025年より本公開となります。引き続き、よろしくお願いいたします!